冒険に生きる 植村直己 (講談社火の鳥伝記文庫)2019年3月



著者:岩貞るみこ
イラスト:曽田正人さん

今回は、歴史上の人物シリーズである、火の鳥伝記文庫で、
植村直己さんを書かせていただきました。

植村さんがご自身で書かれたたくさんの本を読み、
兵庫県豊橋市にある植村直己冒険館を訪ね、
生家や、幼少期に馬に水を飲ませに連れて行ったという円山川に行き、
いまはすっかり変わってしまった景色のなかに、
植村さんの面影を探しました。

「どんな小さなことでも、さいしょにやるときはいつも冒険」
「ひとつできたんだから、次もきっとできるはず」
「これがない、あれができないと言っていたら、いつまでたってもなにもできない」
本につづられている、こうした言葉は、何度も私を勇気づけてくれました。
胸にひびく言葉はたくさんありますが、
私がとくに好きなのは、
「つらくて大変な時間も、いつか必ず過去になる」
という言葉です。
なにかを乗り越えたときに訪れる達成感。
つらいこと、大変なときも、必ずこのあとにご褒美タイムが訪れると思うと、
がんばれる気がするのです。

表紙と挿絵は、曽田正人先生が担当してくださいました。
曽田先生の消防漫画「め組の大吾」の大ファンだった私は、
こうしていっしょに仕事をさせていただけて、本当に光栄でした。
表紙に名前が並んでいるだけで恐れ多い……。
自分に正直で、目標にまっすぐに向き合い、
人生のすべてをかけて生き抜いた植村直己さんの姿を、
曽田先生の絵とともに感じてもらえれば嬉しいです。