効果評価

安全技術の効果評価は、

「それを装着することで、何人死者を減らせたか」

が、目標値になっています。なんでかっていうと、
小泉首相時代につくった、第八次交通安全基本計画が、

「2010年までに、死者を5500人以下にするぞ!」

と、宣言したから。10年間で死者数を半分以下。
人・道・クルマで3分の1ずつなら、クルマで1200人の死者数を減らしましょうってのが、
立ち上がったときの「安全基準検討会」の目標でした。
これ、当時の国交省(運輸省)では画期的なことだったそうですよ。
なんたって「数字」を明確に言ってしまったもんだから、達成できなければ誰が責任とるんだって。

あれから10年。着実に死者数は減っています。
まあ、不景気でクルマが走らなくなったり、若者のクルマ離れで暴走が減っているのも大きな理由なんですけれど。
(事故率はむしろ増えているという統計もあり)。

だけど、私、思うのです。あれから10年。だいぶ世の中も変わってきて、
これからも「死者数」だけ追うのでいいんだろうかって。
だって、あれほど自動車メーカーが開発費をかけて、歩行者保護ボディを作ったって、
年間、防ぎえる死として算出されたのは、わずかに 6人
これには、自工会も言葉を失っていましたですよ。

でもね。
たとえ亡くならなくても、入院日数が長くなったり、後遺症が残ったり、というのは、本当につらいもの。
歩行者保護ボディは、減ったのは6人とはいえ、傷害軽減はもんのすごくあると思うのです。
そのあたり、しっかり出していかないと、メーカーのやる気も、ユーザーの安心感も、出ないと思うのです。

なーんてことを思いながら、結局、原稿書いて過ごした土曜日。