「自動ブレーキ」という呼び方が、席巻している。
まあ……。
どちらかというと……。
自動車メーカーの業績は、株価を左右するから、
それを知りたい人たちが読む、某メディア系で多く使われる表現のようだけど。
自動車メーカーは「被害軽減ブレーキ」と呼ぶことが多い。
自動でなんでもやってくれるわけじゃなく、被害が多少、軽減できますよって感じだ。
そう。多少なのだ。
このシステムをつけると売れることがわかってから、
各メーカー、こぞって開発に拍車がかかり、ついでにコスト競争に走っている。
安くなくちゃ売れないからだ。
広く認知され、システムが多くの人に受け入れられるのは喜ばしいことだ。
だけど、安全ボケし、過大評価してもらっては困る。
安いものは、使っている電波の関係で歩行者や自転車は認知しないし、
ついでに、飛ぶ距離が短い電波は、ちょい手前の物体しかキャッチできず、
つまり、時速30km以下でしかちゃんと動かない。
要するに、「自動」で効いてくれるのは、ごく低速の範囲でしかないってこと。
そして、歩行者には突っ込みますよ、ということだ。
でも、いちばん怖いのは、自動車メーカーがコストダウンにやっきになっていること。
必要な安全基準を下げて、なんでもかんでも、売ればいい戦略って、どうよ?
メーカーにも、技術者にも言い分はあるでしょうよ。
少しでも事故が減るならば、多くの人に使っていただきたい、と。
それは、わかる。
私も、そう思う。
だからさらに思う。ユーザーは、ちゃんと勉強しよう。
販売トークをみっちり練習したディーラーマンに、言いくるめられないように。
その機能は、どこまで自分のニーズに応えてくれるのか。
本当に、自分が必要なものは、なんなのか。
安全ボケしている場合じゃない。
クルマは、免許があって始めて扱えるもの。
ユーザーには、正しく選び、使用する義務がある。