山の事故

山を愛するひとりとして、
御嶽山の噴火事故は胸が痛む。
なにも、紅葉がきれいなこの時期の、
晴天の土曜日の、お昼どきという、
一年でいちばん、山好きが集う時間帯に噴火しなくてもと
思わずにいられない。

怪我をされた方の回復と、亡くなられた方のご冥福と、
いまなお山で助けを待つ方々の救助と、
救助活動をされている方々の安全を、祈るばかりである。

死亡確認は医師でないとできないため、
死後硬直や、部分的に切断など、あきらかに生存していない状態以外は、
消防も警察も自衛隊も「心肺停止」として、対応をする。
そして私は、東京消防庁の取材のなかで、なんども聞いた言葉がある。

「僕たちは、死亡確認はできない。どんな状態でも生きていると信じて行動する」
「たとえ死亡確認されたとしても、少しでもいい状態で、
一刻も早く、ご家族やご友人のもとへ返してあげたい」

空路、陸路で要救助者のもとへ向かう各隊員の制服姿を見ながら、
その覚悟と決意が思い出される。
火山活動が続き、降り積もった火山灰が巻き上がる過酷な状況のなかでの活動、
どうぞ、ご無事で。