ありがとう、フジ

2014年11月1日。フジがお星さまになりました。

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昨日は沖縄美ら海水族館の開館記念日で、
スタッフのほとんどが水族館にいて、
大勢の関係者に見守られながら、
プールに飛び込んだ大好きな飼育員のK君の腕のなかで、
やすらかな最期を迎えたそうです。

フジを中心に集まった、人工尾びれプロジェクトのなかで、
そして、本の取材中からできた一風変わった連帯感のなかで、
いつも私たちが口にしてきたのは「一番」「初」という言葉でした。
天辺をとる。一番になる。
世界初の人工尾びれプロジェクト。
2004年12月、フジが見事なハイジャンプを披露してプロジェクトの第一期が終了し、
さらにその後の、映画化の嵐が一段落したとき、
私はU獣医と、ここに留まらず、さらに進んでいこうと誓い合いました。
次は、フジ以外で一番になろうと。

今年5月、10年ぶりに当時のメンバーが沖縄で顔を合わせました。
みんな、とてもいい笑顔をしていました。
あのとき交わした約束と、私たちが進んできた道が、
ほんのちょっぴり誇らしく感じました。

そして、昨日。開館記念日という、ぜったいみんなが忘れない日、
しかも、11月1日という、こんなに「1」が並んだ日を選ぶなんて、
フジらしいと思いました。

フジの人工尾びれプロジェクトは、これで終了です。

「時代は変わるのよ。アタシなんかにかまわず、
これからも新しい夢を追いかけて、一番になりなさいよ」

そんなフジの声が聞こえてきそうな気がします。
これからも、フジに恥ずかしくないように、
いつかまた、沖縄に行ったときに、仲間にいい笑顔で会えるように、
一番を目指して仕事をしていきたいと思います。

本を持って、フジに会いにいってくれたみんな、ありがとう。
フジのことを、全国から応援してくれた読者のみんな、ありがとう。
フジにはもう会えないけれど、これからも機会があったら、
フジが使っていた人工尾びれを見に、フジが過ごしていたすばらしい水族館に、
ぜひ、遊びにいってくださいね。

フジ、出会えてよかった。ほんとうにありがとう。