千葉県警

報道によると、千葉県警が交通事故の死者数を少なく報告していたらしい。
こんなことをごまかして、いったい誰が喜ぶのだろう。
死者数を、単なる数字競争と、とらえているとしか思えない。

死者数が減らないと、自分たちが仕事していないと思われるから?
だとしたらそれは、
自分たちだけが死者数削減に貢献していると考えているから。

とんでもない話だ。

自動車メーカや部品メーカーの技術者が、どれだけ安全を願い開発しているか。
制度や法律を作る人たちが、どれだけがんばっているか。
大学の研究者や、多くの関係者や、微力ながら私たちジャーナリストも、
安全を願い、クルマが被告席に上がらないために、
活動を続けているのだ。

救急隊、消防隊、特別救助隊、ドクターヘリ、
救命救急センターをはじめとする病院関係者の人たちが、
ひとつの命を救うために、どれだけ奮闘しているかを、
少しでも考えてもらいたい。

小学生の通学を見守る、緑のおじちゃん&おばちゃんだって、
雨の日も雪の日もがんばっている。

死者数削減は、多くの人たちの日々の努力と献身と、
責任感と勇気と行動力の上に成り立っているのである。
なのに「少なく報告」って、プロ意識のなさぶりに開いた口がふさがらない。

死傷者数をもとに、その傾向を洗い出し、対策を考えている研究チームだってある。
報道によると、単独事故が隠蔽傾向になるというけれど、
その数字のねじれを、どうしてくれるというのだ。

というか、隠した件数は、本当にそれだけなのか?
千葉県警以外は、どこもやっていないと言い切れるのか?

数字コントロールが招いた信頼崩壊の罪は、果てしなく大きい。
関係者は原因を突き止めて、再発防止を徹底していただきたい。