「救命救急フライトドクター 攻めの医療で命を救え!」(講談社)2011年7月



カバー写真 田丸瑞穂さん
デザイン Malpu Design(清水良洋さん、佐野佳子さん)

三年間の取材のなかで、私が教えてもらったのは、ドクターヘリの有効性と、
救命救急にたずさわる人たちのチームワークのすばらしさです。
でも、それ以上に、私が学んだのは、本のなかの随所に登場する、『北総スピリット』でした。

やらない言い訳ではなく、できる方法を考える。
あきらめた瞬間に、すべての可能性がなくなる。
時間がない、お金がないは理由にならない。
失敗から学んでいく勇気。
一番を目指すことの責任と覚悟。
意思あるところに、道はできる。

自分の限界を決めず、立ち止まらず、前へ進む大切さを、教えていただきました。
何歳になっても、進化できる。この三年間は、
私の人生に於いてもとても貴重な時間になったと思っています。
-あとがきより抜粋-

ドクターヘリをとりまく状況が大きく変わる時期の現場は、エネルギーにあふれ、
三年間、吸い寄せられるように北総病院に通いました。
行くたびに新たな発見があり、逆に、あまりにも『北総HEMS(Helicopter Emergency Medical Service)』の進化が早いので、
少しでもあいだをおいていると、どんどん取り残されてしまうのが実情でした。
歩みを止めない、その原動力はなんなのか。
やはりそれは「救える命を、救いたい」。そのための「一番になる」というこだわりなんだと思います。

生きるとは、なんなのか。仕事とは、なんなのか。
フライトドクターの視点をとおして見えてくる、命、仲間、組織、生き方。それらをぜひ、感じてください。