「もういちど宙(そら)へ -沖縄美ら海水族館 人工尾びれをつけたイルカ フジの物語-」(講談社)2005年2月



撮影 加藤文雄さん

タイトルは、この本を担当してくれた編集S氏が、草稿を一気読みした勢いで、
そのまま徹夜明けのタクシーの中で考えてつけてくれました。

「沖縄に尾びれをなくしたイルカがいて……」
ブリヂストンの関係者がうっかりこぼしてしまったこのセリフ。
私の好奇心アンテナが300%反応し、すぐさま沖縄にひとり向かったのでした。
そこで出会った青い空、青い海、真夏の太陽、けなげなフジ。
こんな素敵なストーリー、多くの人に伝えなければ!
私の使命感に火がついてしまったのでした。

病気のために尾びれの75%を失ったバンドウイルカ・フジ。
担当する獣医師の発案で、ブリヂストンが人工尾びれを製作。
タイムリミットが迫る中、どうしても、もういちどジャンプさせたいという、オトナたちの純粋な思い。
最後にフジは豪快なジャンプを見せてくれました。

私は2004年6月から、プロジェクトの最後の半年間を追うことができ、
みんなの思いがつまった人工尾びれでフジがジャンプするシーンに立ち会うことができ、
取材者として、本当に幸せな体験をさせていただきました。

2007年7月には「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ」で映画化。
監督は前田哲さん、主演は松山ケンイチさん。
主題歌はコブクロの小渕健太郎さんが作ってくださり、ヒロイン役の高畑充希こと、
「みつき」さんの歌手でビュー作品になりました。