会議室と現場の温度差

国土交通省交通政策審議会陸上交通分科会自動車交通部会技術安全ワーキンググループの会議。
ふう、長い。

この部会が提出する、
「交通事故のない社会を目指した今後の車両安全対策のあり方について」(長い)の素案が配られ、
前回の「車内の子どもの安全」についての発言が、
ほんの一行も反映されていないことに、ぶっ飛んだ。

これが前回、3月のときの霞ヶ関。いまは新緑になっています。霞ヶ関のあたりを歩くのはかなり好き。

今日はおとなしくしていようと思ったのに、結局、ほぼ同じ内容を繰り返すことに。
なんで反映されないかなー。っつーか、なんでこの問題をスルーできるのかわからない。
K座長が「では、そのための案は?」って聞いてきたけれど、
それも前回、言いましたよね? 手元に議事録ありますけれど~。

子どもが怪我をする=チャイルドシートが正しく装着されていない=装着しやすいISO-FIXの普及を。

って、素案にあるけれど、そんなにうまくいかないから、今の現状があるんじゃなくって?
チャイルドシートが正しく使われないのは、使いにくいせいもあるけれど、それ以上に、
「なぜ装着しなければならないのか」が、正しくユーザーに伝わっていないから。
体の小さな6歳はしなくてよくて、大柄な5歳は義務あり、ってどういうこと? じゃ、なんのためにするの?
ユーザーには、まったくもって理解できない。
6歳の根拠を、バカな私にも理解できるように説明していただきたいものだ。

最初の10年は、チャイルドシートという装置を認知させ、普及させるのに費やしたとして、
これからの10年は、これを活かし、本当の交通安全への道具として使いこなしていく必要がある。
そのためには、
「6歳未満」となっている(ワケのわからない)ルールを、「身長140センチ以下」と変え、
現在、まったく安全性の確保できていない140センチ以下の乗員の安全を、
確保するための装置なのだと認識させ、
ジュニアシートも含めて、使っていかなければならないと思うんですけれど。

K座長は、「5年後の目標には、間に合わないことがいろいろある」と言っていたけれど、
べつに、技術的な何かを入れるわけじゃなし、
道交法や自工会の周知徹底活動なんて、その気になれば(←ここがポイント)、
すぐに、しかもユーザー負担金ゼロでできる、安全対策だと思います。

ついでに。高齢歩行者に対する、ヘッドライトの点灯って、どうなったんでしょう。
これも、技術的な変更も少なくて、ユーザー負担も超少ないし、すぐにできると思うのですが、
世界に先駆けて高齢化社会を突っ走る日本ならではの歩行者事故問題、
日本が研究しないで、どこがやるんでしょうね?

自転車チャイルドシートのリコール

金曜から、二泊三日で某所に潜伏。
Yちゃん、Bくん、お世話になりましたー。ありがとう&また、よろしくですー。
潜伏先は、自転車天国。
こういう生活圏を見ていると、「母親+子どもx2の、三人乗りは危ないから禁止!」という人たちに、
ここで、そういう生活をしてから意見を言ってみろ! と、言いたくなりますなー。

交通事故の死亡者は、頭部外傷が一番多い。
ならば、歩行者も、乗員も、ヘルメット着用にするべし!
と、言っているのと、同じに聞こえるんですけれど。

禁止禁止と言う前に、やるべきことはあると思うんですが、どうでしょう。

そして、やっていただきたいことといえば、これ!
自転車用のチャイルドシートのリコールです。
子どもの足を巻き込んで、怪我をするケースが続発。
正しく使わないと、逆に怪我をするのは、クルマのチャイルドシートも同じです。
とはいえ、ミスユースを誘発するのも、問題ありってことで、ブリヂストンサイクルが、リコールやっています。

リコール案内はこちら。 →こちらをクリック!

こういう情報って、なかなか当事者に伝わりにくいもの。
ぜひ、まわりの方に伝えるのと同時に、ブログやツイッターで広めてください。同志のみなさん!
よろしくお願いします!

地震と航空救命活動

地震被害の、あまりのすさまじさに愕然とする。
テレビやネット画像に伝わってくる、こうした映像があるからこそ、
都内にいる我々にも、この地震の被害状況のひどさが、実感でき、
その後の対応につながるのだと思う。

けれど。
土曜日から救出活動が本格的になっている。
千葉県からも、北総ドクターヘリが、DMAT隊を組み、被災当日に現地に入っているし、
(救命センターのドクター&ナースは、DMATトレーニングも受けた、スペシャリストたちです!)
千葉市消防ヘリ「おおとり1号」も、隊員8名で、ホイスト救助活動のため、当日、現地入り。
(この間、千葉県の安全は、君津中央病院の君津ドクターヘリと、
千葉市消防ヘリ「おおとり2号」が、守ります!
おおとり2号は、市原市の石油コンビナート火災への対応のため、24時間体制でやっています!)

今回のように、津波で陸路がまったく使えない状況になると、ヘリの機動力が発揮される。
ただ、ヘリが飛び交うと、ヘリ同士の事故や、燃料調達などの問題も浮上。
以前、DMAT出動したドクターヘリのスタッフによると、
飛行中は常時、ドクターやナースも、360度、監視しながらの気を使う飛行になり、
また、燃料補給のため、報道ヘリといっしょに、順番待ちさせられることもあったとか。

事実を報道することの大切さは、わかる。
けれど、いまのこの段階で、最優先されるのは、人命のはずだ。
ヘリの爆音で、倒壊家屋から救助を求めるかすかな声が、かきけされたということは、
阪神大震災で、学んでいるはずだろう。

ドクターもナースも、夜間は病院内での活動をするし、
機長も整備士も、安全な飛行のために、飛行時間終了後は、夜を徹しての整備を行う。
体力と集中力の戦いの最前線にいる彼らが、十分に活動できるよう、
各報道機関には、配慮を求めたい。いや、
政府は「自粛を求める」なんて、生易しいことではなく、
ニュージーランドや、ドイツを見習い、飛行禁止区域を設定するべきだ。
高速道路をはじめとする道は、緊急車両のみの通行としているのに、なぜ、空はそれができない?
日本の、航空医療への認識の低さが垣間見えるとともに、いまこそ、学ぶべきだ。

国交省で読んでくれた方! 航空局に伝えてください! 異動したKさん! よろしくお願いします!

ISO-FIXチャイルドシートの可能性

午前中に所用をすませ、一度もどって原稿書き。
仕切りなおして出かけた先は、ブリヂストンの今年の体制発表と、
ゼロクラッシュ・ジャパンのシンポジウムです。

ゼロクラ・ジャパンは、ジャーナリストの面々が立ち上げたチーム。
交通事故ゼロを目指しての活動です。

トークセッションでは、発起人のひとり、清水和夫さんが、面白い発言を。
「ISO-FIXは、ユーザーに受け入れられていない」
そうです。そうなんです。
先日、見た審議会の資料に、なんか違和感があって、どうしたものかと思っていたけれど、
つまりは、そういうことなんですよ。 ←審議会メンバーのくせに、早く気づけ、自分!

ISO-FIXタイプのチャイルドシートは、ひとつの車種の専用になっているわけで。
それにより、いろんな弊害が起きて、まったくユーザー・フレンドリーじゃないのです。

1)ディーラーでしか買えない
クルマとのマッチングがあるので、赤○ゃん本舗や、オート○ックスなどでは売っていません。

2)そのディーラーが理解していない
以前、刺客を使って(Yさん、ありがとうございます!)調査したところ、
ISO-FIXの存在すら知らないわ、用意したと思ったら、使い方を理解せずに売ろうとするわで、
とんでもない状況が判明。
国産メーカーのかなり立派な都内ディーラーでしたが。むむむ……。

3)クルマ買い換えで使えなくなったり、ほかのクルマに載せかえたりができない
クルマ変えたら、CRSも買いなおしって、有り得なくないっすか?
でもって、地方都市にいけば、一家に2台以上は当たり前。
平日、ママのクルマに載せていたCRSを、週末はパパの大きなクルマに載せかえて外出、ってのは、
地方都市のノーマルな姿だと思うんですが、ISO-FIXだと、それができないんですね。
そりゃ、普及もしないでしょうよ。

以上の理由で、車内の子どもの安全対策の核に、
ISO-FIXをすえるのは、反対です! っていうか、それってまさに絵に描いた餅状態。
ご一考ください。委員長&事務局のみなさん!

そんなこんなを思いつつ、でも、今日の私は気もそぞろ。
なんたって今日は、愛しの姪の大学受験合格発表日。
携帯電話にぎりしめ、連絡を待ちつづけたわけでして。ああ、自分のときより心臓に悪い。
そして! 見事、合格ですー! 
目標を見つけて努力し、結果を出したわが姪を、まずは褒めてあげたいですー。おめでとう!
Kちゃん、あのときのちびっこが、春からは大学生だよ。早いね~=私信。