地震と航空救命活動

地震被害の、あまりのすさまじさに愕然とする。
テレビやネット画像に伝わってくる、こうした映像があるからこそ、
都内にいる我々にも、この地震の被害状況のひどさが、実感でき、
その後の対応につながるのだと思う。

けれど。
土曜日から救出活動が本格的になっている。
千葉県からも、北総ドクターヘリが、DMAT隊を組み、被災当日に現地に入っているし、
(救命センターのドクター&ナースは、DMATトレーニングも受けた、スペシャリストたちです!)
千葉市消防ヘリ「おおとり1号」も、隊員8名で、ホイスト救助活動のため、当日、現地入り。
(この間、千葉県の安全は、君津中央病院の君津ドクターヘリと、
千葉市消防ヘリ「おおとり2号」が、守ります!
おおとり2号は、市原市の石油コンビナート火災への対応のため、24時間体制でやっています!)

今回のように、津波で陸路がまったく使えない状況になると、ヘリの機動力が発揮される。
ただ、ヘリが飛び交うと、ヘリ同士の事故や、燃料調達などの問題も浮上。
以前、DMAT出動したドクターヘリのスタッフによると、
飛行中は常時、ドクターやナースも、360度、監視しながらの気を使う飛行になり、
また、燃料補給のため、報道ヘリといっしょに、順番待ちさせられることもあったとか。

事実を報道することの大切さは、わかる。
けれど、いまのこの段階で、最優先されるのは、人命のはずだ。
ヘリの爆音で、倒壊家屋から救助を求めるかすかな声が、かきけされたということは、
阪神大震災で、学んでいるはずだろう。

ドクターもナースも、夜間は病院内での活動をするし、
機長も整備士も、安全な飛行のために、飛行時間終了後は、夜を徹しての整備を行う。
体力と集中力の戦いの最前線にいる彼らが、十分に活動できるよう、
各報道機関には、配慮を求めたい。いや、
政府は「自粛を求める」なんて、生易しいことではなく、
ニュージーランドや、ドイツを見習い、飛行禁止区域を設定するべきだ。
高速道路をはじめとする道は、緊急車両のみの通行としているのに、なぜ、空はそれができない?
日本の、航空医療への認識の低さが垣間見えるとともに、いまこそ、学ぶべきだ。

国交省で読んでくれた方! 航空局に伝えてください! 異動したKさん! よろしくお願いします!

日本自動車会議所

午前中に、インタビューをひとつ受け、
そのあと、バリキャリな友人Y嬢とランチへ行き、近況報告&情報交換。
こういう時代だからこそ、女子の柔軟性が発揮できるとき。
しっかし私のまわりの女子軍団は、信じられないくらいパワフル。
これでみんな「母」っていうんだから、本当にすごいです!

午後は、場所を移し、こちらにお邪魔しました。

自工会、自販連、自動車連盟……などなどが入っているビルです。

日本自動車会議所さんにお招きいただき、
「小児救急と交通事故」をテーマに、講演をさせていただきました。
(鼻水はおかげさまで、止まりました。ご心配いただき、ありがとうございます、Fさん!)

日本医科大学千葉北総病院でドクターヘリの取材をはじめたころ、
「ドクターヘリと小児救急」というテーマで、救急医であり小児科医でもあるT先生のご講演を聞きに行き、
小児=内因性、救命救急=大人向け。
つまり、子どもの外傷に対応できる救命救急体制は、日本ではほとんどない。

という趣旨の話を伺って、ぶっ飛んだ記憶があります。
その後、調べれば調べるほど、子どもたちの救急医療体制の不完全さが目に付き、
ゆえに、子どもは絶対に、ケガさせちゃいけない! と、強く感じるようになりました。

医療ジャーナリストではないので、今日の講演で述べたことは、
あくまでも、私の取材の範囲での意見です。
ゆえに、最終的にお伝えしたいことは、小児救急病院を作れ!ではないので、お間違えなく!

年間、4000人以上がまだ亡くなっているいまの日本で、
その一人ひとりには、人生があり、家族があり、友人がいるわけです。
交通事故死は、そのすべてを一瞬のうちに奪い去ることを、もう一度、かみ締めて、
クルマ社会における、子どもたちの安全対策を、しっかりと考えていきたいと思います。

お集まりいただいたみなさん、ありがとうございます。
そして今回、こういう機会をくださった、日本自動車会議所のみなさん、ありがとうございました!

ドクターヘリ出動!

12日のお昼ごろ、成田空港ターミナルのなかで起きた事故。
点検中の作業員がエスカレータにはさまれ、救出困難!
日本医科大学千葉北総病院のドクターヘリが出動です!

出動要請の電話から、わずか3分で離陸です! この機動力はドクターヘリならでは!
*写真はこの日の出動のものではありません。

救出の様子は、フジテレビのニュースでも、報道されました。 →こちらをクリック!
フジテレビ、ここで一言「医師もドクターヘリで到着し……」って、入れてくれたらなあ。

黒いフライトスーツを着ているのが、フライトドクターです。
成田空港内にも、常駐の医者はいるけれど、こうした事故の患者に対応できるのは、
やはり救急医として訓練を受けている、救命救急センターのドクター&ナース。
千葉県はドクターヘリが二機飛んでいて、こうして救出作業中に、もし他の要請があっても、
君津中央病院のドクターヘリが対応可能です。すばらしい。

ちなみに、フライトスーツに見覚えのある方は……→
『フライトナース ハナ』シリーズは、北総病院のフライトスーツをぱくっています 参考にしています!

本日は朝から某所で取材。今日も、超充実。

交通科学協議会

本日は、つくばまで足をのばし、交通科学協議会の学術講演会を拝聴させていただきました。
交通、とあるけれど、かなり「医学」からの視点で語られます。
今回も総会会長は、東邦大学医学部の上田守三教授がつとめられ、
医療関係者の方々の発表が続きました。

医学系の大会の特徴は「ランチョンセミナー」があり、お弁当をいただきながらのセッションがあること。
食事に右往左往することなく、時間節約でいいシステムだと思います。

010611

しかも今回は、イブニングセミナーがあり、お菓子&ジュースつき!
これだけでご機嫌な私は、ええ、ええ、単純です。ちなみにお菓子はおっきなクッキー2枚でした。

イブニングセミナーにご登壇されたのは、獨協医科大学法医学講座の、一杉正仁准教授です。
法医学の立場から、妊婦のシートベルトが絶対必要! と、研究を重ね、
一昨年の運転の教則を変える、原動力となった方。
今回は、高血圧がいかに交通事故にむすびつくか、というお話で、
ひえー、交通事故の2%以上も、脳疾患&心疾患で意識消失して起きているんですかと、愕然!

高血圧の方々は、ぜひ早めの治療と生活改善を!!!

今日も私が敬愛してやまない、北総病院の益子センセイのお話がお聞きできてシアワセ。
益子先生のお話は、理路整然だし、PPTの構成はカンペキだし、時間内にきっちりおわるし、
わかりやすいし、絶対かまないし、カツゼツいいし、口調はやさしくて厳しくて、講演のお手本だと思います!
マイクを持つと、おたおたする自分……成長しないと反省しきり。

だけど……県警ヘリなんてアテにしていたら、医療活動、遅れるって。
ドクヘリの機長が一番、どこに降りられるかがわかるんだから、ドクヘリ機長に判断させて、
ちゃっちゃと着陸許可が降りる手段を考えるべきだと思うんですけれど=ひとりごと。