睡眠時無呼吸症候群

金曜日、国際交通安全学会で、
愛媛大学大学院で、健康医学がご専門の、谷川武先生にお会いしました。
私が講演のなかで、
「高血圧などにより、意識障害が起きて事故を起こすケースが非常に多い(獨協医科大学の一杉先生のデータより)」と述べたところ、

「睡眠時無呼吸症候群も、切実な問題なんですよ」と、お声掛けいただいたのでした。

高血圧ならある程度、自分で知ることはできるけれど、
睡眠時無呼吸症候群は、なんたって眠っちゃっているんだから、知ることができない。
でも、睡眠不足で運転中に、ふっと眠りに落ちるわけで。

大型トラックのドライバーなど、衝突エネルギーの大きいものを動かしている場合、特に早急な対応が急がれる問題でしょう。
ところが、谷川先生によると、
厚生労働省に訴えると、「国交省だ」と言い、国交省に頼むと、「まず厚労省でしょう」とのこと。
えーっと、それぞれの省のみなさん、両方だと思うんですけれど。
タテ割らないで、いっしょにやってよー=ココロの声。

私、このところ「医工連携」を訴えていますが、
これって結局、厚労省+国交省が手を組まないと始まらない話。
国交省では最近、「手を組みたい!」という意欲的な動きが確認できていますが、
いかんせん、厚労省は私にとって近づくことさえできない「白い巨塔」なので、ようわかりません。
どうなんでしょう、厚労省。

というかですね。こういう身近な問題こそ、地方自治体単位で動いてみてはどうでしょう?
おっきな組織が動くの待っていても、事故は待ってくれませんもの。
小回りのきく地方自治体で、「交通事故をなくすために、健康管理を!」というキャンペーンをはり、
高血圧や、睡眠時無呼吸症候群のチェックをして、健康改善……なーんて、よさげじゃないですか=自己満足。
そもそも、50歳を越えると、ドライバーの事故件数も、事故による死亡率も、
ぱっかーん!と跳ね上がります(=外傷学会のデータより)。
50代以上の高齢者交通事故対策として、どうでしょう、知事連合の長のみなさま!

道具は使いこなしましょう

今月後半のおこもりの時間をつくるため、
取材系を前半に集めたら、なんだかスケジュールが、ワケわからなくなってしまいまして……。
今日もダブルです。午前は、箱根の霧のなか、マツダ・プレマシー。
インプレは『レスポンス』にアップします。

法規制が始まる前に、全席にヘッドレストと3点式シートベルト導入。えらい!
少しは見習ってほしいなあ、同時期に出した、某ミニバン担当者。

午後はスバルのアイサイト+オールラインナップ試乗会。
アイサイトは、自動ブレーキが注目されがちだけれど、AT誤発進防止装置の方が、すごいかも?

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この状態で、タイヤ止めがあれば、いくらアクセルを踏んでも、タイヤ止めを乗り越えません!
タイヤ止めがなくても、エンジン制御が入って、急加速なし。超優秀!

詳しくは、スバルのサイトをご覧いただくとして、→こちらをクリック!
いやー、駐車場から出るとき、アクセルとブレーキ踏み間違いで突っ込む事例は、これで回避可能です!
ただ、前進のみでしか機能しないので、バックでは突っ込むことはあるかも。
ゆえに、コンビニで駐車するときは、前向き駐車に、いたしましょう? アイサイト装着車のみなさん!

これ、激いいですよ、福岡県の某みなさん!

でも、自動系の装置は、過信は禁物。
クルマを操るのはあくまでも「人」。機械は補助装置でしかありません。
そこを履き違えると、止まらないだの、ぶつかっただの、責任はだれにあると、ワケわからないことに。
クルマもハサミもいっしょです。使いよう、使いよう。
使いこなしてこそ、いい道具は活きるのだと思います。

ペダル踏み間違い

子供の安全を考える立場にあるA氏から、
ペダルの踏み間違いによる事故は、どうにかならないものかと切実なメールをいただいた。
突っ込んだ先が、モノならまだ救われるが、
それが人で、しかも未来ある子供のケースもあとをたたない。私自身もやりきれない思いである。

スバルやボルボが実用化したオートブレーキなど、
技術的に止める技術は進んできている。
早い実践対応への技術進化と、実用価格までの落とし込みが待たれるところだ。

で。
私、思ったのですが←いつも思いつき発言。
たとえば高齢者用に、小型のコミュータを開発するとして、それは電気がいいんじゃないかという案もあるとして、
この際、アクセルは「手」にしたらどうなんでしょう。
アクセルペダルとブレーキペダルが横並びになっているところが、誤操作の原因のひとつならば、
操作系統を離してあげればと思うのです。
歩くのだってむずかしい高齢者。足先があがりにくくなるから、ペダル操作だって大変なわけで。
なのに、びみょーな二本のペダル操作を、一本の足で操作しろというほうが、むずかしいような。
(私は左足ブレーキ反対派です!)

もしくは、操作の仕方を変えるとか。
今の状態は、両方とも「踏む」という同じ動作。
でも、下肢障害者の方が使うクルマは、
左手でバイクのバーハンドルのようなものを操作して、ブレーキは押す。アクセルはひく。←だったっけ、Hくん???
押す⇔引く、というふうに、操作の仕方が違えば、間違いは起こしにくいはず。
本気で高齢者の移動の足を考えるなら、そのくらい徹底的に構造改革しないと、ダメだと思います。

なんてことを考えながら、終日、原稿書き。

ペダル踏み間違え事故

えーっと、未確認なのですが、某同業者によると、
ITARDA(交通事故分析センター)の情報では、
ペダル踏み間違えによる事故は、年間7000件、起きているんだとか。

確認しようと思ったら、ITARDA……サイト開いたら、
税金投入されているのに、事故情報が有料って、なんだそれ~。
ビンボー人なフリーのジャーナリストには、えええ? であります。

ニュースでは、高齢者に多いような取り上げられ方ですが、
実は、老若男女、だれでも起こしているんだそうです(未確認情報ですみません)。

踏み間違いによる事故受けて、国交省や消費者庁では、クルマに対策を求めてきているのだけれど……。
でも、ブレーキ・オーバー・ライドをつけたとしたって、
(機械式アクセルに、どうやってつけるのか、今もって不明ですが)、
踏み間違えちゃったら、ダメだと思うのです。

ブレーキとアクセルの踏み応えが違うから、とか、
ブレーキとアクセルのペダルの形が同じだから、とか、
諸説、意見はあるようですが、でも、間違えたときって、そんな「たわいないこと」なんて、
どうでもいいくらいパニックだと思うのですよ=実は恥ずかしながら、過去にちょっとだけ経験者。

で、思うのです。
事故を起こした人たちに、運転の仕方に共通点はないのだろうかって。
もしも、同じ共通点があるのなら、
「ひと」のほうで、ある程度、改善できるのではないのだろうかって。

たとえば、ひとつの仮説として、カカトをつけないで運転しているとか。
足をばくばく上げて、ブレーキとアクセルペダルを踏みかえる運転をしていることが原因なら、
対応策は考えられるはず。

このところ、救命救急センター取材で、運転姿勢と事故とケガについて、考える機会の多い私は、
そんなことを考えております。

本日は終日、取材。

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取材先できれいに咲いていた紫陽花。
こういうのを見ると、雨の日も悪くないなって思います。