撮影 岩貞るみこ
交通事故でケガをした人を、助けるためには、どうすればいいのだろう?
たどりついた先は、救命救急の世界。そしてドクターヘリでした。
千葉県ドクターヘリの基地病院である、
日本医科大学千葉北総病院に通わせていただき、
ドクターヘリを追いかけました。
最初、ドクターだけががんばっている世界と思い込んでいたのですが、
そこには、ヘリの運航スタッフ、救急隊、消防隊、病院関係者など、
ものすごい数の人たちが、ひとつの命をつなぐために、
必死に戦っていることを知りました。
救命救急は、時間との戦い。戦いには勝たなくちゃいけない。
一秒ごとに命を削られている患者のために、多くの人が必死になっている。
その切ないほどに懸命な思いに、取材中、何度も泣きそうになりました。
自分を信じて、仲間を信じて動く人たちのそんな思いを、
感じていただければ嬉しいです。
2ヶ月間の取材に加え、
ドクター&ナース&運航管理スタッフのインタビューを重ねた結果、
あまりにも同じようなケースが毎日のように繰り返されており
(千葉県ではドクヘリはもう、当たり前の活動)、
さらに、患者の方々の個人情報を守るという意味もあって、
登場人物や場所のほとんどは仮名にさせていただき、
出動ケースも、いくつかのケースをアレンジさせてもらっています。
でも、細かい会話や、ちょっとした笑える話は、
すべて取材中に拾い集めたネタばかり。
ドクターもナースも、みんなとても人間くさくて、
一所懸命生きている人たちは、本当に魅力的です。
小中学生向けですが、彼らにもドクターヘリがわかるように書いてあるので、
ドクターヘリに興味のある方は、ドクターヘリ入門書として、ご活用ください。