ペダル踏み間違い

子供の安全を考える立場にあるA氏から、
ペダルの踏み間違いによる事故は、どうにかならないものかと切実なメールをいただいた。
突っ込んだ先が、モノならまだ救われるが、
それが人で、しかも未来ある子供のケースもあとをたたない。私自身もやりきれない思いである。

スバルやボルボが実用化したオートブレーキなど、
技術的に止める技術は進んできている。
早い実践対応への技術進化と、実用価格までの落とし込みが待たれるところだ。

で。
私、思ったのですが←いつも思いつき発言。
たとえば高齢者用に、小型のコミュータを開発するとして、それは電気がいいんじゃないかという案もあるとして、
この際、アクセルは「手」にしたらどうなんでしょう。
アクセルペダルとブレーキペダルが横並びになっているところが、誤操作の原因のひとつならば、
操作系統を離してあげればと思うのです。
歩くのだってむずかしい高齢者。足先があがりにくくなるから、ペダル操作だって大変なわけで。
なのに、びみょーな二本のペダル操作を、一本の足で操作しろというほうが、むずかしいような。
(私は左足ブレーキ反対派です!)

もしくは、操作の仕方を変えるとか。
今の状態は、両方とも「踏む」という同じ動作。
でも、下肢障害者の方が使うクルマは、
左手でバイクのバーハンドルのようなものを操作して、ブレーキは押す。アクセルはひく。←だったっけ、Hくん???
押す⇔引く、というふうに、操作の仕方が違えば、間違いは起こしにくいはず。
本気で高齢者の移動の足を考えるなら、そのくらい徹底的に構造改革しないと、ダメだと思います。

なんてことを考えながら、終日、原稿書き。

大量の……。

この5月後半、ほぼ出ずっぱりの私が、ようやく迎えた6月。
そして私を待っていたものは、大量の……原稿。
ええ、ええ。そうでしょうとも。これだけ出ていたら、原稿もたまるでしょーよ。

さて、少しもどって、「高齢者にやさしいクルマ会議」で話題になった二人乗りのクルマ。
私は無理だと思っているのですが、
できる、やれる、ニーズはあると思っている人は意外と多いようで。
そりゃ「いる?」とたずねれば「欲しい」と言うでしょうよ。
でも「買うか?」と問われれば、どうなんでしょうね。

二人乗りのクルマ、たしかに便利です。
狭い道もラクだし、駐車もしやすいし。
だけど、結局、それって移動にしか使えないじゃないですか。
購入するクルマに100万円払うのは、それが、移動だけじゃなく、
友人を乗せたり、孫との時間がもてたり、モノが運べたりという要素がついてくるから。
でも、二人乗りで移動オンリーという用途なら、100万円は出さないでしょう。
スズキの「ツイン」なんて、50万円以下でもダメだったのは、そのせいだと思います。
移動の足にいくら払えるか?
いいとこ、20万円じゃないでしょーか。
それで作れますか? 二人乗りで、エアコンついて、安全なクルマ。しかも電気自動車ですか?

ついでに。友人も乗せられず、自分だけで走るクルマで、
ある意味「自分ひとりだけ自由」に過ごす生活に、日本人が耐えられるんでしょうか。
イタリアでスマート・フォーツーがバカ売れしているのは、個人主義の国だから。
「ああ、ごめん、乗せられないの。じゃあね」と、とっとと一人で行けちゃう気質だし、
縦列駐車の隙間に、前後のクルマのことなんて考えずに、アタマからタテに突っ込めるのも、
「入れたんだから、いいじゃない。なにがいけないの?」と開き直れる強さがあるから。

日本人に二人乗り、いけるんですかね? どうでしょう、DのKさん。NのYさん、T大学のK先生?
そして方針を打ち出した、事務局の福岡県?

原稿同様、大量にたまった洗濯物を処理しながら、そんなことを考えた火曜日。
洗濯物はハケたけれど、原稿が、ああ、原稿が~。

医工連携

日本外傷学会と、自動車技術会、日本自動車研究所、交通事故分析センター、日本損害保険協会の
共催によるシンポジウムです。

100526

来年から始まる「第9次交通安全基本計画」。
死者数削減のために、医学の知見を入れていく時期がきています。

医学からの発表と、工学サイドの発表。全部聞いて思ったのは、

カラダの小さい人は車内でケガをしやすい。

小さいクルマは生存空間を保つために、キャビンが硬く、衝突のときにクルマの後部が上がる。

背の低い人は、シートリフターで、座面が前方向にナナメになりやすい

ひらひらのナイロンスカートは、すべりやすい

エアバッグでアタマを押さえられるので、衝突のときは、シートが滑り台になってシートベルトが腹に食い込む。

つまり!
背の低い女性ほどサブマリン現象がおきて、危険な車内ってことじゃないですか。
同じ女性として、これは見逃せません。

しかも、医学からの発表では、あれだけサブマリンによるシートベルト損傷を言っているのに、
工学からの発表では、衝突実験も、ダミー人形の実験も、
ぜんぶ「正しいドライビングポジションで、正しくシートベルトとエアバッグが作動したとき」。
これってヘンだと思うのは、私だけ?

どういう条件なら、サブマリンしやすいのか。
そのうえで、サブマリンしにくいクルマを作るべき。
同時に、サブマリンしやすい条件がわかったなら、
それをユーザーに、ちゃんと伝えていくべき。

今回の医学~工学連携のシンポを聞いていて一番、思ったのは、
両者の距離があまりにも遠いこと。
アタマ悪いし、知識も浅いけれど、少なくとも両方見させていただいている私が思うのは、

もっと両者が寄り添えば、もっと有効なデータの取り方があるし、同じデータでも、もっと有効に分析できるのに。

今回のシンポが、両者の距離が近くなるためのキックオフ・パーティだとすれば、
ぜひ、双方、歩み寄っていただきたいと思います。

ウソ発見器

世の中的には、昨日から黄金週間がはじまっていたようで?
そんななか、いそいそとラジオの収録です。
スタッフ・チェンジがありまして、今日から新しいKディレクターになりました。

基本的に、やっていることも台本も同じなんですけれど、
ディレクターが変わっただけで、超噛みまくりなワタクシ……。
精神的動揺が、こんなにも簡単に表にでちゃって、私、絶対、ウソ発見器で一発でバレるタイプです。

100430

終了後は、プロデューサさんに誘っていただき、
ラジオ製作会社の事務所での、パンの試食会へ。 なぜパン?

某パンショップのパンが、ほぼ全種類! チョコミルクパンがおいしかったですー。
ごちそうさまでした。G社長&Hプロデューサー!

さて、事業仕分け対象になったNASVAの衝突アセスメント。
やっと後部座席もダミーが載せられましたけど、
私、やっぱり、アメリカサイズって解せません。
それよりなにより、ダミー人形を座らせ、シートベルトを着用させるとき、
担当者って、ミリ単位で調整するんですよ。
じゃないと、いい結果にならない=それはつまり、シートベルトが役に立たないってことで。

こういう情報も、ちゃんと公開してほしいっす、NASVA。
じゃないと、いつまでたっても、シートベルト損傷で内臓破裂の患者は後を立たないでしょう。

交通事故がメーカーにとって都合がいいところは、
「運転が悪かった」「ぶつかりどころが悪かった」「それは相手のクルマが悪かった」と、
人が死んでいても、それをほかのせいにできるところ。
いつまでたってもそんなことしていたんじゃ、マズイと思うんですけれど。