アリとキリギリス

最近、一週間が過ぎるのが異常なくらい早くてあせっています。
あせっていても、なにも始まらないので、目の前にある仕事を片付けつつ。
原稿書いて、ラジオの収録。
午後は、「高齢者にやさしい自動車開発委員会」へ。

高齢者の移動手段確保は大切。
特に、公共交通機関の発達していないエリアでは、クルマが唯一の移動手段。
だから、高齢者でも事故を起こさないようなクルマにしてあげるってコンセプトには賛成なんだけど。

でも、聞いているとなんか納得できない気もしてくる。
クルマだけに頼られてもなあ。
街づくりからやってくれないと、走れる場所がないのにクルマだけあってもって思う。
それに、安全装備バリバリのクルマを作ったところで、高くなるだろうし、
助成金とか、そういう覚悟は各道府県にあるんだろうか。

そしてもうひとつ。
「やさしいクルマを」ってのはわかるけれど、高齢者にやさしいクルマは、本当に高齢者のためになるのか?
やさしい嫁は、姑のボケを早めるだけだ。
ちょっと厳しいくらいのほうが、なにくそと張り合って、しゃきしゃき動くってもんじゃないだろーか。
これから高齢者に突入する人(私をふくめて)は、
「首がまわらない」だの、「バックするときに体がねじれない」だの、
そんなふうにならないよう、日ごろから少しずつ、
『クルマが運転できる体力づくり』をしておく必要があるんじゃないだろーか。

好き勝手生きてきて、運転能力がにぶったからって、ほいほいとクルマに頼るのは、
アリとキリギリスの話のようではないか。

やっぱりね。クルマって生活の必需品だけれど、免許があってはじめて運転できるもの。
一度、交付されたら半永久的に保有の権利があるわけでもなし、
ちゃんと、鉄の塊があつかえる自分でいる覚悟と努力も、必要だと思うんですよ。
そういうドライバー教育とか、高齢者予備軍基礎知識って、だれがどう教えるんでしょうね。
自動車メーカーって、そのあたり、もっと真剣に考えて行動したほうがいいと思いまふ。

100222

午後5時。日が長くなりました。
ドクヘリの活躍時間がのびて、スタッフは大変。でも、助かる人、多し!

帰宅後、あわてて原稿書き。

モンスター・ユーザー

学校のセンセイは、モンスター・ペアレントに悩んでいるんだそうな。
「アタマのいい子の隣の席にしてくれ」だの、
「遅刻しないよう、毎朝、電話で起こしてくれ」だの、
「先生を替えてくれ」だの、書き出したらきりがないほどの、傍若無人ぶり。

一連のリコール騒動で気になるのは、
ユーザーがこのような、モンスター化しないかってことです。
いま、メーカーの立場が弱いのをいいことに、なんでもかんでも「おかしい! 直せ!」攻撃が始まりそう。
モンスター化はやめましょうね、ユーザーのみなさん。
12ヶ月点検はしっかり出してクルマの基本整備をしたうえで、不具合が出たら苦情を言いましょう。

と、この点を押さえたうえで、以下、提案。

だけど、メーカーも、ユーザーの声を聞かないまま来た反省もしていただきたいような。
いま現在のシステムでは、ディーラーマンになんか言われたら、反論する場がない。
メーカーに、お客様相談室という、駆け込み寺的な電話番号が設けられているけれど、
でもそれって結局、メーカーの組織だから、どうもなんだか、騙されているような。

ってことで、次にユーザーは、国交省に連絡してくるわけです。
国交省の「不具合情報ホットライン」ってヤツね。
ただ、これが正しく使われていない。
ちゃんと不具合だけを連絡してくれればいいものを、
「あのディーラーの態度が悪い」だの、
「点検に出したら、○万円もとられた。おかしいのではないか」だの……。
うーん、それ、訴える相手が違うんですが。
っつーか、国交省の人たち、そんなの対応していたら、本来の仕事ができないでしょーに。
でも、じゃ、だれに訴えればいいの?
メーカーのお客様相談室では、もみ消されてしまう気がするし。

提案は、自動車工業会かどっかが立ち上がって、
全メーカーに対応できる、でも、メーカー寄りでない中立の立場の、苦情受付窓口を設けてはいかがでしょう?
メカトラブルにしても、サービストラブルにしても、
まずはしっかり受け止める受け皿が必要だと思うのですが。

N常務理事。ぜひ、ご一考を。