自殺者急増

救命救急の取材をしていると、自殺者は本当に腹立たしい。
必死になって救おうとしている人たちの、すべてを否定するような行為に見えるからだ。

未遂で救急搬送され治療を受けているあいだは、
その間の救急車もドクターたちも、ほかの対応ができない。
そのときに「もっと生きたい」はずの人たちの対応が遅れでもしたら。
そう考えると、ふざけんなよ、という気持ちになる。

若年層の自殺が増えている。
とくに就職活動失敗による30歳以下の自殺者は、
昨年だけで150人を超えるのだそうだ。

仕事ぐらいでさあ。

そんなふうにも思う。
でも、よくよく考えると、仕事は単に生きるための収入を得るだけではなく、
就職試験そのものが、自分というものを評価される大きな試練なのだ。
そりゃ、いくつも受けて落ちたら、
「あなたはこの世の中に必要としない人材である」と思えてしまうのも、
無理はないような気がする。

脳内診断したら「経済成長」の文字しか頭の中にないような人を見ていると、
「けっ」と思うことがしょっちゅうだけれど、
こういう若い世代の苦悩を知ると景気が悪いってのは、罪な話なのだと思う。

終日、原稿書き。