AACN

交通事故で人が亡くなる場合、「打ちどころが悪かった」と、
すべての原因は「加害者」に向けられるけれど、
でも、本当は、別のところに助けられる鍵はいくつもあるわけで。

特に、交通事故を含めた救命救急の世界では、闘うべき相手は「時間」。
これを克服できれば、出血多量で亡くなる人を、後遺症ゼロで社会復帰させることも可能。
ならば、どうすれば、治療開始機関を短縮できるかと取り組んでいるもののひとつが、

AACN。

Advanced Automatic Collision Notification。
高度交通事故自動通報システム。
エアバッグECUに記録されているデータレコーダーの情報をもとに、
乗員傷害推定結果を自動的に通報し(従来は、119番通報で会話による)、
救急車を向かわせると同時に、病院の選定や手術準備、ひいてはドクターヘリの活用へとつなげようというもの。
すでに日本でも実証実験がされているのはもちろん、
欧州では2014年以降販売される乗用車への義務化の動きが。
昨年までは動きがにぶかった北米でも、一気に活発化しすごい速度で検討を進めている状況です。

費用対効果や、システムの高性能化、どうすれば正確に乗員傷害推定結果を算出できるか、
まだまだ問題山積ながら、でも、始めないと始まらない。
というわけで、本日は、そのAACN研究会に同席させていただきました。

先日、交通科学協議会に出たとき、
某自動車メーカーの方が、「そんな技術、本当に必要なんですか?」という主旨の発言をしたけれど、
たしかに、ぶつかって救助よりも、ぶつからないようにする技術に注目が集まる昨今だけれど、
でも、救命救急の現場を知る私としては、
あと1分、早く病院に到着していれば、助かったはずの命をいくつも見てきた身としては、
この技術、ぜひ、早期実現をと願わずにいられません。
だって、もうドクターヘリは年間1万2000回以上も飛び、
年間3000人もの交通事故の怪我人(特に重篤な人)を搬送している。
もっと活用できる体制が整っているんですから。

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