ELRとALR

今年の黄金週間も、こどもたちが被害者になる事故が相次いだ。
とくに、安全装置であるシートベルトが凶器になった件は、胸が痛む。

後部座席に座っていた7歳の男児の首に
シートベルトがからまって窒息状態になったというもの。
走行していたのは高速道路だというから、
保護者は「全席シートベルト」にのっとって使用したのだろう。

7歳は、チャイルドシートから開放される。
でも、多くの7歳は身長が140cm以下で、
140cm以上に合わせたシートベルトでは、安全装置の意味をなさない。
(車両によって数字は異なります。150cm以上というものもあり)

そして、気をつけてほしいのは、
多くの後部座席のシートベルトには、
ELRとALRという機能がついているということだ。

ELR(Emergency Locking Retractor)
強い衝撃がかかったとき、上体を支えるため、
それ以上ベルトが出てこないようロックするもの。

ALR(Automatic Locking Retractor)
シートベルトが巻き込まれる一方で、強く引き出そうとしても出てこないもの

これ、経験した方いらっしゃると思います。
ひっぱろうとしてもロックして出てこず、どんどん巻き込まれてしまうという。
チャイルドシートを装着したとき、ゆるまないために付いている機能です。

よかれと思ってつけているこれらの機能、
でも、使い方を間違えば、首をしめあげることになる。
首をしめるインシデント(事故にいたらずとも、やばかったね~という状況)は、
年間、何件も起こっている。
ハインリッヒの法則によれば、300回に一人は、重篤な事故にあたることになる。

保護者の方には、車両の安全装置を正しく理解し、
こどもを守るために使っていただきたいと、強く願う。
チャイルドシートを卒業したこどもたちにも、学童用(ジュニア)シートの活用を!
安全装置でこどもが被害を受けないよう、
楽しいはずのドライブが悲劇にならないよう。
よろしくお願いします。