群馬ドクターヘリ

三連休の初日。
夏休み開始ゆえどのくらい関越道が混むかわからず、
5時起きにて北上です!

向かった先は、こちら!

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前橋赤十字病院の屋上ヘリポートです。
雷雲接近中ゆえ、群馬ヘリポートへ避難するべく離陸準備中の図。

本日は、理事をさせていただいているHem-Netの仕事で、
「好青年」に会いに。
笑顔が素敵な池面大学生、未来への夢がきらきらです。
ドクターヘリが救った命、事例に関わったすべての人に、
この笑顔を守ってくれてありがとうと、心から思います。

終了後は、前橋赤十字病院で、群馬ドクターヘリを見学させていただきました。
群馬県は山岳地帯があり、消防防災ヘリや、県警ヘリなども活躍する場所。
地理的に不便がいろいろある分、チームワークがより求められ、
「飛び道具」の活用に知恵が絞られています。

ドクターヘリをどう活用するか。
方法はひとつではないけれど、
救いを求める人を助けるという目的はひとつです!

障子を開けよ、外は広い

本日は、昨日のトラウマラリーのシナリオ解説を聞きに、
日本外傷学会の総会会場へ!

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以前、何度か交通外傷のヒントを探りに聞きにいったものの、
あまりにも専門用語が飛び交い、早々に離脱した外傷学会ですー。

昨日の5つのシナリオを、作ったベテランドクターたちが解説です。
これが、ものすごくわかりやすい!
ポイントがどこで、チームの多くがどういう動きをして間違えたか、
どうすればよかったのかを、理路整然と教えてくれます。
パワポは昨日の写真あり、動画あり。
ということは、ベテランドクターたちは、終了後~今朝早朝、これを作ったわけで。
すごい熱意が伝わります!

救命救急は、経験という引き出しをいくつもてるか。
メディカルラリーでは思いっきり間違えられる環境を、
こんなに多くの人たちが作ってくれる。
すごく幸せなことだと思います。
今回、成績がふるわなかったチームも、
たくさん間違え、自分たちがどのレベルなのかを知るだけでも
得るものは、すごくあったかと。

障子を開けよ、外は広い。

トヨタの創設者、豊田喜一郎さんがお父様から言われた台詞。
今回、参加した意志ある若きドクターたちに贈ります!

そして、あれ? 結果は?
優勝は……ないしょ!

外傷メディカルラリー

本日は、トラウマ(外傷)メディカルラリー@日本医科大学千葉北総病院へ!

メディカルラリーとは、医師、看護師、救急隊からなる医療チームが、
救急現場活動や、治療の技術を競い合う競技会のこと(メディカルラリーのサイトから抜粋)。
仮想状況で繰り返し訓練することで、技術もチームワークも磨けますが、
それに競技性をもたせることで、より楽しく、より能動的に学んでいこうというものです。

んで。
今回は、日本外傷学会のオプショナル企画ということで、
研修医+専修医一年目、つまり、医学部を卒業して国家資格をとってから、
三年目までのドクターだけが三人でチームを組むという、全国初の大会です!
ベテランのナースや、百戦錬磨の救急隊員がいないなか、
若手のドクターたちは、自分たちで考え行動しなくては!

さて、どうなる???

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北は青森から、南は熊本、全国の外傷にとりくむ若手医師が集合です。
三人一組、全16チーム。すでにやる気のオーラがめらめらと!

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開会式が行われるなか、会場では予行演習が密かに進行中。ん? この方々は??

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こちらでは、負傷者役を「作成中」。かなりリアルな役作り。
そうです。想定は「熊に襲われた!」です。

大会を支えるのは、千葉県の救命救急を支える救急隊や、医療関係の学生さんたち。
中心となっているのは、北総病院を中心に切磋琢磨する『北総救命会』の方々です。
シナリオを作ったドクターたちも、評価者(採点担当)として駆けつけています。
みなさん、当直明けや、休日を使っての参加。
救急医療の底上げをしたいという熱意が、ひしひしと伝わってきます。

今回のシナリオは5つ。ベテランのドクターたちが考え抜いて作ったもの。
1)災害の多数傷病者=すばやいトリアージ
2)救急車のなかでの活動=救急隊の立場になって行動し共通言語を知る
3)夜間、自分たちしかいない病院に重症患者が=的確な治療開始と上級医への正確な申し送り
4)山中でけが人発生。熊出没中で安全確保はどうする=増えるけが人に対応せよ
5)そうじ道具を持って移動中に、ひき逃げ事故を発見=人間性が問われます

いろんな要素や裏テーマが隠されています!
私は、4)と5)を中心にチェック!(すっかりスタッフ気取り……)
まずは、4)から。

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血まみれの患者を見つけて、さっそく治療を開始する研修医!
救急隊員役の防護服は、「南会津消防本部」からお借りしたもの。
役作り、徹底しています。

会津では、熊による患者さんがとても多いので、リアル設定です!

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一方、少し離れたところでは、幼稚園児が腕から血を流している!
そして、呼吸もヘンだ! どうする、研修医!

半狂乱なお母さんも登場します。研修医は「家族への説明」という要素も求められます。

さらに、治療中、熊が! 熊が襲い掛かってきた!
パン! パンパン!
逃げる研修医。響く銃声音。猟友会により熊、射殺(ごめんね、熊)。
研修医の安全は確保されました。治療、続行です。

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シナリオが続くあいだ、ずっと倒れつづける、エセくまもんと、パチりらっくま。
みんな、本気だ! 本気すぎる! 笑ってはいけない。笑ってはいけない……ぷぷっ。

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そうこうするうちに、安全確保にあたっていた警察官が、いきなり倒れている!
どうした、警察官! 研修医は、倒れた理由をつきとめ、対応しなければ!

そして、響く「終了ー!」の声。
タイムアップです。やりきった感のあるチーム、ただ、ぼーぜんとするチーム。
さまざまな表情です。

そして、後半は、5)のひき逃げシナリオを拝見しました。
通行人をクルマの下敷きにしたまま、運転手は逃走!
エンジンがかかったままのクルマ、まわりは交通流ががんがん。
研修医はこの状況に、ちゃんと対応できるのか?

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さっそく掃除用の手袋をつけ、自己の安全を確保する研修医。さすがだ。
しかし……。

エンジンを切らないとか、三角表示板たてないとか、
下敷きの人を救出するためのジャッキアップが使えないとか(多数!)、
さらには、人が下敷きになってるっつーのに、クルマに乗り込む研修医。
おい!

私、モータージャーナリストとしての無力さを痛感しております。
もっと事故時の対応もなんとか伝えていかなければ……。

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と、そうじゃなかった。メディカルラリーでありました。
ベテランドクターの、厳しいチェックの目が光ります。

治療道具がなにもないまま、研修医たちは自分たちの目と耳と、
身の回りにある掃除道具で、どこまでけが人に対応できるのか?
おおお、そうか、そこまでできるのか。
大変、勉強になりました!

そして思いました。
人は、本当に真剣になると、ものすごいパワーを発揮し、
そして、ものすごいことをするのだと(謎)。

すごく楽しかったです。
参加者のみなさん、スタッフのみなさん、お疲れさまでした!
ラリーのシナリオ解説と、結果発表&表彰は、明日の外傷学会にて!

千葉エマルゴ

明日は、どっちだ? こっちだ!
本日は、千葉大学病院で開催された、千葉エマルゴ・トレーニングへ!
*エマルゴトレーニングは、救急・災害医療の机上シミュレーションです。
机上とはいえ、座ってやるのではなく、教室内を動き回ります。

スウェーデンで開発された、この訓練。
インストラクターの資格を持つ、
日本医科大学千葉北総病院の本村友一先生の指揮、
そして、スタッフの入念な準備のもと、スタートです。

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最初に本村先生から、「大運動会ですから、楽しんでください」との言葉。
不適切ですか? いいえ、楽しまないと覚えないし、次もやろうって気になりませんから。

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事故現場です。机上訓練ですから、事故もホワイトボード上に。
スタッフ渾身の「規制線をどう張ったらいいのか、頭を使う」設定に!

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使われるのは、エマルゴ時計。一倍速~六倍速で使えます。
本日は、一倍速にて。

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119番通報が消防指令に入り、救急隊に出場要請がかかります。
が、救急車のいる場所により現場到着時間がちがうため、それまで待機の救急隊員のみなさん。

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現場に到着した指揮隊が本部テントをつくり、情報収集と指揮を行います。
東京消防庁とは、指揮隊の役割分担がちがうんですね。大隊長、やること多くて大変そう。

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指揮テントでは、到着した救急車を管理中。現場到着時間、患者をどこに運んだかなど。
ピストン搬送したくても、病院にいってもどってくる間は動けないことを確認します。

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バスと乗用車横転という設定ゆえ、特別救助隊も出場。
でも、はさまれ案件なしゆえ、指揮隊に入る救助隊員。

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負傷者は20人を超える大事故! 救急隊員がトリアージ。
そして、適切な処置をしないと状態が悪化します!
ああ、赤タグの人がどんどん!!!

*注:緑=軽症、黄色=中等症、赤=重傷、黒=死亡

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ドクターヘリも2機、要請されました。そして消防防災ヘリによる、ドクターピックアップも。
そのタイミング、要請内容が適切だったかどうかは???

そして最後は、消防による記者発表。
私、例により記者役を担当させていただきました。
質問の答えに対しては、突っ込みどころ満載。
でも、マジメにやっちゃうと攻撃しちゃうので、
最初の本村先生の言葉どおり「楽しめる」範囲、
そして、気づきがあるような内容にしたつもり……なんですけれど。
本番の記者の質問は、こんなぬるくありませんよー(ちくり)。

最近、特に思うのは、
現場で真剣に活動する人たちが、つるし上げにならないよう、
記者発表、広報対応をきちんと考えないといけないということ。
昔はある程度、情報コントロールできたけれど、
SNSが発達した今はそうではありません。

うーん、早急に対応が必要な案件が身近にちらほら……。
みなさん、お疲れさまでした!