「大きな文字の青い鳥文庫」のお知らせ

このたび、弱視のこどもたちにも、本を読むたのしさを、ということで、
「大きな文字の青い鳥文庫」が創刊されました!

以前、社会貢献活動のひとつとして、、
何冊かつくって、施設に寄贈したところ、とっても好評で、
(これまでは、先生たちの手書きで、大きな文字の本をつくっていらしたそうです)
もっと多くの本を手軽に読みたい! という声におこたえするかたちで、
オンデマンドの書籍シリーズとして、スタートすることになりました。

第一弾として、19作品がラインナップされるのですが、
そのなかに、「しっぽをなくしたイルカ ー沖縄美ら海水族館フジの物語ー」も、
加えていただけることになりました!

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ちゃんと表紙にも、写真を使っていただいています。
文字もとっても大きいのですが、あとがきまで全文、掲載です!

興味のある方は、ぜひ、青い鳥のサイトで、チェックしてみてください。
くわしくは、こちらをクリック!

そして、私のドクターヘリ物語の取材日記「ドクターヘリは今日も飛ぶ! 救命救急センターへようこそ」も、
更新されています。
詳しくは、こちらをクリック!
あ、写真、勝手に使ってすいません、センセイ~!=私信。

今日も原稿書き。がんばりますー。

台風

台風で撮影予定がキャンセル。
この隙に、たまりにたまった原稿など。

さて、昨日のドクヘリ訓練で質問をいただきました。
Q.ドクターヘリは雨でも飛ぶんですか?

答は「はい」です。飛びますよー。多少の雨でも、視界さえよければ飛べちゃいます。
昨日の訓練も、飛ばすか飛ばさないか、ぎりぎりまでわかりませんでした。
ドクターヘリはいまのところ、基本的に有視界飛行ですから、
霧で高速道路上が確認できなければ、キャンセルの可能性もあったわけです。

まあ、そんな微妙な判断を迫られるのも、訓練としてはいい機会でありましょう。

ちなみに、千葉県ドクターヘリでは、
機長はただ、飛ぶだけではなく、現地に着いたら、
患者さんの受け入れ病院を探す連絡役をしたり、
患者さんの情報(氏名や年齢など)を、病院に連絡したりと、
現場でも忙しいんです。

そして、そんなヘリの動きを見守るのは、運行管理のスタッフです。
ヘリが早く患者のもとにいけるよう、地上からヘリの動きをプロデュースするんですねー。

昨日の訓練でも、そしていつものドクターヘリ業務でも、
現場に行くひとたちだけではなく、縁の下で支える人がたくさんいて、
成り立っているんです。
詳しくは「命をつなげ! ドクターヘリ」をお読みくださいませー。
=以上、宣伝でした(笑)。

ドクターヘリ高速道路着陸訓練

本日は私の、47歳の誕生日です。おめでとう、私!
いやー、いくつになっても誕生日はシアワセです。
またひとつ、オトナになった気分(とっくになっているって……汗)。

今年も新たな気持ちでフットワーク軽く、がんがん出撃していきたいと思います。
そして、そんな記念日にふさわしいイベントが、誕生日プレゼントとして用意されました!
(きっと主催者は、ぜったいそんなつもりではないと思う=落ち着け、私)

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おおおっ、おびただしい数の緊急車両が集結。こ、これは、高速道路上での大事故? 

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いました、いました! 衝突事故です!
あれ、でも、車両に「事故車両」って? そうです、訓練でした。

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すかさず到着する、レスキュー隊!
ひゃー、かっこい~!←ハートマークを目から出している場合ではないぞ、私!

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つぶれたクルマにはさまれた傷病者を救出です。チェーンソー(?)を手にするレスキュー。
火花による火災を防ぐため、放水する消防隊。
警察官は、すかさず事故調査に必要な現場証拠の確保につとめます。

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マイクロバスには複数傷病者。救急隊の手により、トリアージ・タグがつけられます。
ドライバーは黄色のタグ(=重症ではないってこと)。
でも、もしかしたら腹部損傷なら赤(=すぐに治療が必要な重症)に急変する危険性も。
時間の経過とともに、チェックは必須。

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傷病者多数により、現場指揮本部も設置。応急救護所も本線上につくられます。

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空を見ろ! 鳥だ! 飛行機だ! いや、ドクターヘリだ!
ドクターヘリがドクター&ナースをつれて飛来! 
もちろん降りるのは、高速道路の本線上です。
反対側車線も、交通警察隊の手で、しっかり封鎖されています!

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消防隊の誘導により、着陸するドクターヘリ。
しかし! 
高速道路の車幅が9・5mに対し、ドクターヘリのローターブレードの直径は、10・3m。
真ん中に着陸すれば、遮音壁にローターがぶつかってしまいます。

びみょーにセンターガードレール寄りに、位置を調節するパイロット! 
ひゃー、すごーい。かっこい~!
ドクヘリを操る機長クラスになると、数センチ単位で操れるんですよー。尊敬~!

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着陸後、傷病者に向かって走るドクター&ナース。
赤い袋をもってあとを追うのは、ヘリの整備士です。
ドクターヘリの整備士さんは、ヘリの整備をするだけではなく、
飛んでいるときはナビゲーター役、地上ではドクター&ナースのアシスト役と、大活躍です。

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救急車のなかで初療開始。出血に対して輸液投与。
呼吸があぶなければ、気管挿管して気道確保。
もちろん薬を使っての治療も開始できます。
これで助かる&後遺症が減る患者さんが、どれだけいることか!

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患者を乗せて、離陸するドクヘリ!
ガードレール、遮音壁、はりめぐらされる高圧線に加え、
今日は雨模様で視界も悪いなか、プロの経験で無事に搬送完了です。

今回の訓練は、
埼玉県ドクターヘリの基地病院である、埼玉医科大学総合医療センター、
ヘリの運航会社である、朝日航洋(千葉県ドクターヘリもここ!)
東日本高速道路(ネクスコ)
埼玉県警察本部交通部高速道路警察隊(高速警察)
坂戸・鶴ヶ島消防組合消防本部
川越地区消防局(消防訓練主体機関)
以上が、参加しています。

なんたって、実際に使われている高速道路を閉鎖しての訓練。
これを実現させるためには、関係者の並々ならぬ尽力と気合があったことは、
いまの日本のタテワリ社会を見れば、容易に想像できることでしょう。

交通量の多い都市近郊の高速道路にまで、ドクヘリを着陸させるかどうかは、
これからも議論していく必要があるけれど、
少なくとも、交通量が少ない地方の高速道路上では、必要だと思っています。
だって、多数傷病者が出たら、救急車のピストン搬送では追いつかないもん。

今後、ドクターヘリが全国配備される動きのなか、
こうした訓練はとっても大事。
そして、全国に先駆けて、訓練の道筋をつけてくれた今日の関係者の方々に、
ドクヘリ応援団としては、拍手を送りたいです。

空の事故

岐阜県の防災ヘリが、奥穂高での救助中に墜落した件。
事故調査委員会の報告が、少しずつメディアによって報道されてきている。
操縦桿を握っていたのは操縦士だけれど、
では、なぜ彼は事故を起こすようなフライトをしなければならなかったのか。

そこには操縦士だけが追うべきではない、組織的な問題がある。
そこを解決できなければ、同じような事故は、また起きるはずだ。
人命救助って、ひとりでやっているわけではないのだ。
ヘリだって、ひとりで飛ばしているわけじゃない。
原因究明と、その対策が、早期に行われ、空の事故がなくなることを願うばかりである。

ときに。
この事故を受けて、「ほら、やっぱりドクターヘリだって危ないじゃん」という声も聞く。
だけど、それはちょっと違うと思う。

ヘリが危険なのは、飛行中に「作業」が加わるからだ。
送電線をはったり、木をおろしたり、今回のように、人を降下させたり吊り上げたり。
でも、ドクヘリは、飛行中の作業はない。

ただ、常に出動要請に対応できるよう準備し、緊張し、
一瞬の判断で天気を読み取り、飛行する……という点では、ほかとは異なり、
それなりの経験とトレーニングが必要だろう。
いまの空の安全は、少なからず運航会社&運航スタッフの「気合」で支えられているところがある。

精神論じゃ、続かない。
人間はミスをするのだ。
ドクヘリの事故が起きないうちに、対策がされることを、ココロから望んでいます。はい。