空の事故

岐阜県の防災ヘリが、奥穂高での救助中に墜落した件。
事故調査委員会の報告が、少しずつメディアによって報道されてきている。
操縦桿を握っていたのは操縦士だけれど、
では、なぜ彼は事故を起こすようなフライトをしなければならなかったのか。

そこには操縦士だけが追うべきではない、組織的な問題がある。
そこを解決できなければ、同じような事故は、また起きるはずだ。
人命救助って、ひとりでやっているわけではないのだ。
ヘリだって、ひとりで飛ばしているわけじゃない。
原因究明と、その対策が、早期に行われ、空の事故がなくなることを願うばかりである。

ときに。
この事故を受けて、「ほら、やっぱりドクターヘリだって危ないじゃん」という声も聞く。
だけど、それはちょっと違うと思う。

ヘリが危険なのは、飛行中に「作業」が加わるからだ。
送電線をはったり、木をおろしたり、今回のように、人を降下させたり吊り上げたり。
でも、ドクヘリは、飛行中の作業はない。

ただ、常に出動要請に対応できるよう準備し、緊張し、
一瞬の判断で天気を読み取り、飛行する……という点では、ほかとは異なり、
それなりの経験とトレーニングが必要だろう。
いまの空の安全は、少なからず運航会社&運航スタッフの「気合」で支えられているところがある。

精神論じゃ、続かない。
人間はミスをするのだ。
ドクヘリの事故が起きないうちに、対策がされることを、ココロから望んでいます。はい。