プリウスのリコール

朝から、アタマから煙を出しながらの原稿書き。
だれかが言っていたっけ。

今日の私が、明日の私をつくる って。

ってーことは、昨日までの私が、今日のげげげな私をつくっているってことで……。
反省しろ、昨日までの自分!

コンピュータに向かって、きーっ! となっているときに限って、じゃかじゃか電話が鳴るし。
大半は、プリウスのリコールについてのコメントを……でありました。
なんか、最初から「対応が遅いと思うんですが、どうでしょう」と、誘導尋問に近い投げかけもあり、うーん。

一番はやく出るのは、明日の朝日新聞社会面のようですが。
20分、しゃべった割には、使われるのは数行なので(=これに不服は、まったくないんですが)、
数行で意図をどこまで伝えられるかは、不安です(=前後の話とか、教えてもらえないし。これは不服)。
でも、担当氏は誠意ある人だったので、以前の某大新聞や某テレビ局のようなことにはならないと信じて明日を迎えますー。

そもそも、新技術(ハイブリッドに限らず)が世の中に送り出されるときに、事前に完全に検証するのは不可能。
そんなことしていたら、いつまでたっても、新技術なんて一般人の手にはとどかない。
もちろん、メーカーだって検証するけれど、いろんな人のいろんな使い方までをぜんぶは把握できないから、
どんな壊れ方や、どんな不具合がでるかは、発売後勝負になることだって、あるだろう。

そのためのリコール制度なのだ。
「がんばったけれど、やっぱりダメだったから、修理等々、無償でしますよ。」
そういうチャンスがメーカーに与えられるのは、当たり前なことだと思う。

ただ、今回トヨタのミスは、不具合内容を早い時点で的確に説明できなかったことだ。

「違和感があっても、しっかり踏み足せば、機械式ブレーキが作動して、きちんと止まること」
「ふつうのアスファルトの路面でのブレーキングでは、まず出ない症状であること」
まず、こうした事実を、メディアを通じて、しっかり伝えるべきだったろう。
一~二年で、各業界をローテーションする記者たちには、噛み砕いて教えてあげないと理解できないという、
いまのメディアの現状を、把握していなかったのが、ミスといえるかもしれないが。

クルマをよく知らない、テレビ担当者や経済記者が書く中途半端な原稿の、うわっつらだけを読み取って、
ブレーキの違和感&不具合が、いつのまにか「プリウスはブレーキがきかなくて、事故になる」になっていく。
よくわからないもんだから、不安が不安を呼び、

世の中のおばちゃん連中(私が言うならセクハラにはなるまい)は、ブレーキがきかない」という言葉に過敏になり、
いやーねー、こわいわねー、と、ひどいものを見つめるように眉をひそめる。

ネット社会のいま、情報はあっという間に広がっていく。
まさに光の速さ。
躊躇しているあいだに、ふくらんだ情報は手に負えなくなり、
N○Kまでに「後手後手の対応」と、断言されるまでになっていく。

繰り返し言うけれど、リコールをするのは、決して悪いことではないと私は思う。
クルマはメーカーがつくり、ユーザーが育てていくものだからだ。
でも、そのためにも、正しい情報をだして、信頼関係を築いておく必要があるのだと思う。

*青文字部分、2月10日に追記しました。