リコール問題で思うこと

リコール問題がでてくると、いつのときも
「メーカーは、不具合情報を早い段階でつかんでいたくせに」という話がでてくる。
しかし、クルマの場合、「不具合」とか「おかしい」という意見は、
どんなクルマでも、発売開始直後からあるものだ。
ドライバー個人の単なる違和感によるものもあれば、
やはり、クルマの問題というときもある。
使い方なのか、クルマの固体差なのか、設計上、全車に出ているものなのか。
そうしたものを調べ、見極めていき、はじめてリコールにたどりつく。
まずここに至るまで「最初の情報入手」からは、それなりの時間をかけざるを得ないだろう。

その後も、「どう対応していくのか」という段階がある。
対応方法を決め、全ディーラーのメカニックにやり方を伝授し……と、
やはり、ここでもそれなりに時間は必要になる。
そうした一連の流れを無視して、
「知っていたくせに、なにもしなかった」「対応が後手後手だ」と一括されていては、
自動車メーカーも、やりきれないだろう。

ユーザーからの違和感情報は、もちろん適切に扱わなければならない。
でも、クレーマーという存在があるのも事実
そのふたつを見極めるだけの時間は、どうしたって必要だろうに。
もちろん、自動車メーカーも、認めてもらう(待ってもらう)ために、
適切な情報を出す義務があるのだけれど。

賢明なユーザーのみなさんにおかれましては、
ぜひ冷静に対応していただきたいです。少なくとも、
「私のクルマもココがヘン!」
「自分のブレーキも、おかしいかも?」
「やっぱりクルマメーカーって、隠す体質!」
と、勢いづいて大騒ぎされませんよう。
そうですね、まずは自分のクルマの12ヶ月点検をしっかりやり、
タイヤ空気圧もしっかりチェックして、
まずは、自分のクルマを正しく使うこと(ドライバーにも、整備義務があります)。

異常使用での申し入れや、クレーマーがいなくなれば、
メーカーの対応がもっと早くなるのは確実なんですから。