日本外傷学会と、自動車技術会、日本自動車研究所、交通事故分析センター、日本損害保険協会の
共催によるシンポジウムです。
来年から始まる「第9次交通安全基本計画」。
死者数削減のために、医学の知見を入れていく時期がきています。
医学からの発表と、工学サイドの発表。全部聞いて思ったのは、
カラダの小さい人は車内でケガをしやすい。
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小さいクルマは生存空間を保つために、キャビンが硬く、衝突のときにクルマの後部が上がる。
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背の低い人は、シートリフターで、座面が前方向にナナメになりやすい
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ひらひらのナイロンスカートは、すべりやすい
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エアバッグでアタマを押さえられるので、衝突のときは、シートが滑り台になってシートベルトが腹に食い込む。
つまり!
背の低い女性ほどサブマリン現象がおきて、危険な車内ってことじゃないですか。
同じ女性として、これは見逃せません。
しかも、医学からの発表では、あれだけサブマリンによるシートベルト損傷を言っているのに、
工学からの発表では、衝突実験も、ダミー人形の実験も、
ぜんぶ「正しいドライビングポジションで、正しくシートベルトとエアバッグが作動したとき」。
これってヘンだと思うのは、私だけ?
どういう条件なら、サブマリンしやすいのか。
そのうえで、サブマリンしにくいクルマを作るべき。
同時に、サブマリンしやすい条件がわかったなら、
それをユーザーに、ちゃんと伝えていくべき。
今回の医学~工学連携のシンポを聞いていて一番、思ったのは、
両者の距離があまりにも遠いこと。
アタマ悪いし、知識も浅いけれど、少なくとも両方見させていただいている私が思うのは、
もっと両者が寄り添えば、もっと有効なデータの取り方があるし、同じデータでも、もっと有効に分析できるのに。
今回のシンポが、両者の距離が近くなるためのキックオフ・パーティだとすれば、
ぜひ、双方、歩み寄っていただきたいと思います。