ドクターヘリの安全を考える

早起きをして原稿を書き、集中力が切れたところで、
HEM-Net 主催の、シンポジウムへ。

理事長は元警察庁長官の國松孝次さんです。

防災ヘリ、海保ヘリ、民間ヘリ、個人ヘリと、今年はヘリの事故が多発。
飛行中に作業する機会の多いこれらのヘリに比べ、ドクターヘリは飛行中の業務はないものの、
それでも、一度も降りたことのない、周囲のどこに電線があるかわからない場所に離着陸するため、
安全の確保は急務。

機長が操縦に集中できるため、同乗する医療クルー、地上のCS、消防隊の対応はもとより、
機体の整備やヘリポートの充実など、課題山積です。
運航クルーも医療クルーも、こうしたトレーニングは自費で休みの日に行っていることも多く、
正義感と熱意だけに頼るには限界があるわけで。

しかし、こうした操縦中のミスについての論理は、クルマのドライバーにつながること多し。
基調講演は、医学博士の柿本由紀子先生でしたが、
「注意せよ、という精神論だけでは、限界がある。
周知徹底ってみんな大好きだけれど、そんなものは通用しない!」(言葉尻うろおぼえ) と、ばっさり!
すばらしい! そのとおりだと思います!

運航会社の整備士の方がおっしゃった、
「ヒューマンエラーは、結果であり、原因ではない。」という言葉にも、至極納得。
ヒューマンエラーを引き起こす、クルマ作り、街づくり、道作り。
こうしたものを解決しなければ、交通事故だってゼロにはならないのです。
「標識さえ見ていれば、事故は起こらない」と、某検討会で言い切った、某関係者に突きつけたい気分。

ついでに。ヒューマンエラーを起こす、
腹部損傷をさせるようなシートベルトも、同じだと思いますよー。

終了後は、補習=しかし、楽しい。今日もめいっぱい。