ラウンドアバウト@飯田市

今年も残すところ、あと一ヶ月。
12月は原稿強化月間です!
にもかかわらず、スケジュール帳は取材がわらわらと書き込まれていて、
これで書けるんだろーか……ま、土日があるから、なんとかなるか=お気楽。

おこもりの本日。
ときおり見たのは、こちらのライブカメラの映像!こちらをクリック!
国際交通安全学会のプロジェクトで社会実験中の、長野県飯田市のラウンドアバウトです。

ライブカメラって、なんつーんでしょうね。
他人の生活を覗き見しているみたいな、ドキドキした気分になるのは、私だけ?

本実験は、既存のロータリーに対して、道路構造や交通運用には手を加えぬまま、
マーキングやポストコーン等を用いて道路幅員の縮小や線形変更を行うことで、
走行速度抑制や走行軌跡の安定を促すことを意図したものです。
また、看板の設置等による優先・非優先の徹底もねらいのひとつです。

なのだそうです。
欧州のラウンドアバウトは、歩行者用の横断歩道はあまり見かけず、ゆえに、
*なんかヘンだと思って、グーグルアースでパリの凱旋門を見てみたら、横断歩道ありました!
でも、一時停止ラインはないので、横断歩道直前で停止し、ラウンド内のクルマの動きとを一度にチェックできます。
クルマの一時停止は、ラウンドに沿った形になりますが、
ここは横断歩道に対応するため、かなり手前に一時停止ラインがあります。
……というか、一時停止ライン、手前すぎじゃね?
通過するクルマの動きを見ていても、もう少しラウンドアバウトの近くにあったほうが、
ドライバー心理や、見通しのよさを含めて、いいような気がするんですけれど。
まあ、そんなあたりも、社会実験結果として意見が上がればいいなと、
ライブカメラ・ウォッチャーは、東京の片隅でこっそりつぶやいたりするわけです。

予定より遅れているものの、それなりに進行中の原稿。
達成感と焦燥感が半分ずつの夜。

IATSSシンポ

本日は国際交通安全学会のシンポジウム。
テーマは「これからの交通安全」。
私も、「医工連携」と「数より質。子どもの安全を考えるべき」という話題で、
話をさせていただいてきました!

今年から学会員として参加させていただいています。
発言の機会をいただけ、光栄です!

ドクターヘリの取材を通じて見えてきたことは、
事故を起こした場所、時間、救急隊の質、ドクターの初期治療開始までの時間、病院の実力,
さらには患者の年齢や体力、既往症などによって、
致死率は変わってしまうということ。
それらを無視して、なんでもかんでも「死亡者数」だけで考えるのは、無理があるということです。

1)安全技術を正しく評価するため
2)今後の安全技術開発のため
3)受傷者を助ける最後の切り札のため

医工連携は、これからの交通安全を考えるためには、欠かせない取り組みなのです。
会場からいただいた質問に答えられなかったので、
ここで私の考えを記しておきます。
質問は「上記三つをするための方法と、効果と、課題はなにか」というもの。

1)2)の方法は、救命救急センターとの連携しての研究が必須でしょう。
ただし、救命救急センターのドクターは、ぎりぎりの状態で患者に向かい合っているため、
研究協力は物理的にむずかしく、ゆえに、研究者の派遣と投資が必要と考えます。
どのくらいの効果が得られるかは、どれだけ真摯に取り組めるのか、
本気でやれるのかにかかっていると思います。
カタチだけやって、やりました、というやり方では、いつまでたっても効果は出ないでしょう。
課題は、個人情報。
だれだって事故や自分の傷害について、周囲に知られるのは抵抗があるわけで、
そのあたりをどう解決していくか。
ちなみにすでに医工連携を始めているドイツ・フォルクスワーゲンの取り組みでは、
患者さんへインタビューしたあとは、精神的なケアをするための精神科医もチームにいるそうです。

3)の解決策のひとつは、ACN。日本ではヘルプネットが有名です。
事故発生と同時に、車両から自動的に通報するシステムを普及させること。
カーラーの救命曲線では、心臓停止から3分、呼吸停止から10分、大量出血は30分以上で、
救命率は半分以下に下がります。
ならば、その時間をいかに短縮させるかが、キモとなってきます。
また、ドイツではすでに研究が進められていますが、
衝撃で、乗員のどこがどのくらい傷ついているのか、を予測して通報できるようになれば、
ドクターの初期治療準備にも役立つはずなのです。

この件に関しては、双方の専門家の方々と、徹底的に議論をしてみたいと思っています。
ご興味のあるメーカーや関連機関の方、ご連絡、お待ち申し上げます!

国際交通安全学会

朝から取材をひとつ。いちどもどって仕切りなおしをしたあとは、国際交通安全学会(IATSS)の勉強会へ。

忙しい面々が集結ということで、夕食のお弁当をいただきながら。
おおっ、これは、イ○ハンの、すき焼き弁当!(*弁当目当てで参加しているのではありません!)

スペシャリストが集まっての調査研究。
私は今年入ったばかりで、右も左もわからないため、聴講というカタチで勉強させていただいています。
おおー、こういう見方が……おおー、こういう切り口が……。

終了後の雑談では、都市計画の先生と、経済学の先生と、子どもの安全についての意見ががっちり合致!
先生っ、そのとおりです! もう、握手したいくらいでしたよ。
高齢化社会ゆえ、高齢者対策は必要。
それを認識している政府にしろ、クルマの安全にしろ、どうしても高齢者対策に行きがち。
でも、それって結局、高齢者は伝えられるから。
もっと言っちゃうと、高齢者は選挙権を持っているから。
じゃ、子どもはどうなるの?
選挙権はないから放ったらかし。子どもが意見を言えないことをいいことに、見ないふりしていません?

「GDPを考えるなら、子どもにケガをさせている場合ではない。」
私、経済学者ってどうも胡散臭くて、抵抗があるけれど、この意見には激しく納得。
子どもにケガをさせれば、本人の生産力はもちろん、親だってかかりきりになって生産性はにぶる。
今後の日本を考えるなら、子ども問題、マジメに取り組まないと、やばいと思います。

国際交通安全学会

早起きして原稿書き。
午後は、IATSSこと、国際交通安全学会の「新会員講演」です。
大学も行っていないし、団体行動ができないフリーの人間にとって、
「学会」と名のつくものは無縁なのですが、今回、縁あって入会させていただくことになりました。

100716

ドクターヘリの活躍をメインに、
医工連携と、小児救急の重要性について、話をさせていただきました。

まあ、私なんかの話は、どーでもいいのですが、
同じく今年から新会員になったN先生(女性)の話が、超面白く、
私、目からウロコがぼとぼとと、音を立てて落ちていきました。
ペットボトルのラベルの話なんて、ヒザをたたいて「そのとおり!」と、声をかけたくなっちゃいましたよ。
N先生、美人だし、話うまいし、最高ですー。

そして今日は久しぶりに、元東京大学名誉教授で、安全系のエキスパート、I先生にもお会いしました。
I先生が座長をされる検討会は、すっばらしく切れ味がよく、これぞ検討会といつもうなっていました。
すでに引退をされたということで、もうごいっしょする機会がないのは、とても残念ですが、
意識と志を高くもって、学会員を務めさせていただきたいと思います!