タイヤ・セーフティ・セミナーふたたび!

今月は巡業強化月間。三週連続の出動のラストは、山口県です。
土曜日は、ブリヂストンの防府工場、日曜日は、下関工場におじゃましました!

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天気に恵まれました。防府工場は、ママさん参加者が多くてうれしいです!

土曜日も日曜日も、絶好の遊び日和にもかかわらず、
多くの方にご参加いただき、ありがとうございます。

いま販売されているクルマは衝突アセスメントでいい点数をとっていますが、
どれもこれも、メーカーの担当者が試験会場にきて、
ミリ単位で、ダミー人形の腰の位置や、シートベルトを調整して、やっとクリアしている安全性です。
アメリカサイズのダミー人形とは体格の違うみなさんが、
間違った使い方をしていては、安全性は確保されません! 
みなさん、しっかり自己防衛していきましょう。

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ちなみに、地方に行った時は地のものを買おうと思っています。

山口県産の牛乳。農協の野菜ジュース。
しかし! 買ってから野菜ジュースのウラを見たら、「千葉県」って……サギだ~。

愛読書?

救急医療にたずさわるドクターたちが読む、月刊誌「救急医学」
今月号のテーマはずばり「外傷と工学」
入手いたしました。読み応えあります。
特にドクター側からの提言は、衝突安全にたずさわる方々に、ぜひ、読んでいただきたいです!

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日本医科大学千葉北総病院の救命救急医の方々からの発信も、もちろんあります!
歯切れのいい書きっぷりに、うっとりです(笑)。
 

以前、救命救急医で心臓外科を専門になさるドクターが、
「たとえ心臓に刃物がささっていたとしても、うまく早く連れてきてくれれば、助けるチャンスはあります。
そのために、ぼくたちがいるんです」と、
言っていたのが、忘れられません。

心臓がやられたら、即・死亡と信じていた私は、
たとえシートベルトの衝撃で心臓破裂をしていても、助かる事例をいくつも目の当たりにし、
救命救急医療のすごさにひれ伏すのでありました。

いま、レクサスやメルセデスなどの車両に搭載されている、
交通事故発生と同時に、緊急指令が行くシステムがもっと多くのクルマに展開され、
ドクターヘリの出動までつながっていくようになれば、
死ななくてもいい人たちを、しっかりと助けられると信じています。

なんてことを考えながら、ぎりぎりまでPCに向かっていたら、
あやうく飛行機に乗り損ねるところでした。今日は西へ。着いた先は、山口県です。

日本外傷学会・学術集会

日本外傷学会の学術集会です。
抄録をぱらぱらとめくると、「道路横断中に乗用車にはねられ」とか「乗用車の後部座席で衝突」など、
交通外傷による事故がたくさんあるけれど、
実際、会場で話を聞いてみると……ぐっ、わ、わかりません。

救急学会だと、なんとな~く、ほうほう、ここがこうしてケガをして……とわかるものの、
外傷学会になると、その後の治療方法を中心に論じられるため(当たり前)、
シロウトのついていける世界ではないのでしたー。

でも、今回のテーマは医工連携ということもあり、
教育講演やパネルディスカッションによっては、クルマの安全について語られ、
医療関係者のみなさんの、お忙しい時間をさいてのデータ収集に、アタマが下がるのでした。

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臨床的には、男性より女性のほうが同じケガでも、強いんだそうな。やはり女は強いのかー。

医工連携は、今後の交通事故削減に欠かせないテーマだけれど、
そもそもドクターは、傷ついた目の前の患者を助けることが使命。
だとしたら、歩み寄るべきは、クルマづくりが仕事の工学だと思います。
「デルタV」も知らないのか、と、工学の常識をふりかざしている場合ではないでしょーに。
(私も知りませんでした。すいません、無知で~)

今日一日の感想は、いったいどれだけの大切な命のうえに、
いまのクルマの安全技術が成り立っているのかということ。
日本自動車研究所のO氏のビデオや、佐賀大学のS先生のスライドは、目を覆いたくなるほどのもので、
思わず会場で泣きそうになりました。
これほどの犠牲の上で作り上げた安全装置、正しく使っていかなければ、
彼らは無駄死にだと思いました。

思い新たに、気を引き締めていこうと思います。

*K先生、話できなくてすみませんー。いつでもメールでどうぞ~(笑)=私信。

医工連携

日本外傷学会と、自動車技術会、日本自動車研究所、交通事故分析センター、日本損害保険協会の
共催によるシンポジウムです。

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来年から始まる「第9次交通安全基本計画」。
死者数削減のために、医学の知見を入れていく時期がきています。

医学からの発表と、工学サイドの発表。全部聞いて思ったのは、

カラダの小さい人は車内でケガをしやすい。

小さいクルマは生存空間を保つために、キャビンが硬く、衝突のときにクルマの後部が上がる。

背の低い人は、シートリフターで、座面が前方向にナナメになりやすい

ひらひらのナイロンスカートは、すべりやすい

エアバッグでアタマを押さえられるので、衝突のときは、シートが滑り台になってシートベルトが腹に食い込む。

つまり!
背の低い女性ほどサブマリン現象がおきて、危険な車内ってことじゃないですか。
同じ女性として、これは見逃せません。

しかも、医学からの発表では、あれだけサブマリンによるシートベルト損傷を言っているのに、
工学からの発表では、衝突実験も、ダミー人形の実験も、
ぜんぶ「正しいドライビングポジションで、正しくシートベルトとエアバッグが作動したとき」。
これってヘンだと思うのは、私だけ?

どういう条件なら、サブマリンしやすいのか。
そのうえで、サブマリンしにくいクルマを作るべき。
同時に、サブマリンしやすい条件がわかったなら、
それをユーザーに、ちゃんと伝えていくべき。

今回の医学~工学連携のシンポを聞いていて一番、思ったのは、
両者の距離があまりにも遠いこと。
アタマ悪いし、知識も浅いけれど、少なくとも両方見させていただいている私が思うのは、

もっと両者が寄り添えば、もっと有効なデータの取り方があるし、同じデータでも、もっと有効に分析できるのに。

今回のシンポが、両者の距離が近くなるためのキックオフ・パーティだとすれば、
ぜひ、双方、歩み寄っていただきたいと思います。