日本外傷学会・学術集会

日本外傷学会の学術集会です。
抄録をぱらぱらとめくると、「道路横断中に乗用車にはねられ」とか「乗用車の後部座席で衝突」など、
交通外傷による事故がたくさんあるけれど、
実際、会場で話を聞いてみると……ぐっ、わ、わかりません。

救急学会だと、なんとな~く、ほうほう、ここがこうしてケガをして……とわかるものの、
外傷学会になると、その後の治療方法を中心に論じられるため(当たり前)、
シロウトのついていける世界ではないのでしたー。

でも、今回のテーマは医工連携ということもあり、
教育講演やパネルディスカッションによっては、クルマの安全について語られ、
医療関係者のみなさんの、お忙しい時間をさいてのデータ収集に、アタマが下がるのでした。

100527

臨床的には、男性より女性のほうが同じケガでも、強いんだそうな。やはり女は強いのかー。

医工連携は、今後の交通事故削減に欠かせないテーマだけれど、
そもそもドクターは、傷ついた目の前の患者を助けることが使命。
だとしたら、歩み寄るべきは、クルマづくりが仕事の工学だと思います。
「デルタV」も知らないのか、と、工学の常識をふりかざしている場合ではないでしょーに。
(私も知りませんでした。すいません、無知で~)

今日一日の感想は、いったいどれだけの大切な命のうえに、
いまのクルマの安全技術が成り立っているのかということ。
日本自動車研究所のO氏のビデオや、佐賀大学のS先生のスライドは、目を覆いたくなるほどのもので、
思わず会場で泣きそうになりました。
これほどの犠牲の上で作り上げた安全装置、正しく使っていかなければ、
彼らは無駄死にだと思いました。

思い新たに、気を引き締めていこうと思います。

*K先生、話できなくてすみませんー。いつでもメールでどうぞ~(笑)=私信。

医工連携

日本外傷学会と、自動車技術会、日本自動車研究所、交通事故分析センター、日本損害保険協会の
共催によるシンポジウムです。

100526

来年から始まる「第9次交通安全基本計画」。
死者数削減のために、医学の知見を入れていく時期がきています。

医学からの発表と、工学サイドの発表。全部聞いて思ったのは、

カラダの小さい人は車内でケガをしやすい。

小さいクルマは生存空間を保つために、キャビンが硬く、衝突のときにクルマの後部が上がる。

背の低い人は、シートリフターで、座面が前方向にナナメになりやすい

ひらひらのナイロンスカートは、すべりやすい

エアバッグでアタマを押さえられるので、衝突のときは、シートが滑り台になってシートベルトが腹に食い込む。

つまり!
背の低い女性ほどサブマリン現象がおきて、危険な車内ってことじゃないですか。
同じ女性として、これは見逃せません。

しかも、医学からの発表では、あれだけサブマリンによるシートベルト損傷を言っているのに、
工学からの発表では、衝突実験も、ダミー人形の実験も、
ぜんぶ「正しいドライビングポジションで、正しくシートベルトとエアバッグが作動したとき」。
これってヘンだと思うのは、私だけ?

どういう条件なら、サブマリンしやすいのか。
そのうえで、サブマリンしにくいクルマを作るべき。
同時に、サブマリンしやすい条件がわかったなら、
それをユーザーに、ちゃんと伝えていくべき。

今回の医学~工学連携のシンポを聞いていて一番、思ったのは、
両者の距離があまりにも遠いこと。
アタマ悪いし、知識も浅いけれど、少なくとも両方見させていただいている私が思うのは、

もっと両者が寄り添えば、もっと有効なデータの取り方があるし、同じデータでも、もっと有効に分析できるのに。

今回のシンポが、両者の距離が近くなるためのキックオフ・パーティだとすれば、
ぜひ、双方、歩み寄っていただきたいと思います。

ラピッドカー発見!

昨日の予定をスライドし、一日遅れで、
日本医科大学千葉北総病院の救命救急センターにおじゃましました!
目的はもちろん、新刊「フライトナース ハナ」を、
お世話になったみなさんにお届けに~。

ドクターヘリ物語を書くまでに、だいぶ救命救急センターの動きは把握したはずだったのに、
いざ、フライトナースの話を書くとなると、
ナースの動きをぜんぜん取材していなかったことに愕然とするのでありましたー。
ゆえに、取材中は、救命救急センターのナースのみなさんの背後霊のようにつきまとい、
こっそり耳をダンボにして、セリフを聞きまくり、
しかも、資料用にこそこそと写真を撮りまくるという、
これで取材証をつけていなかったら、ストーカー以外のなにものでもないという感じです。

お世話になった、フライトナース&救命救急センターナースのみなさん、
改めまして、本当にありがとうございましたー。

100519

久しぶりに、救命救急センターにおじゃましたら、ややっ! こんなことに!
ドクターカー、ならぬ、北総ラピッドカー、発進まで秒読み開始です!

帰宅後、あわあわと原稿書き。今月は……締め切り落とさないか、ちょーっと不安です~。

フライトナース ハナ

本日、『フライトナース ハナ -黒衣の天使が舞い降りる!?の巻-』 発売です!

ハナ1

にしけいこ先生が描いてくださった激カワな表紙。
これにインスパイアされて、担当ももちゃんが、素敵なサブタイトルをつけてくれましたー。

なんやかんやで、10冊めの本です。
ここまで書かせてくれた、講談社サマに大感謝でございますー。

さて、本日はラジオの収録です。
季節ごとの特別プログラムで、今回はなんと!
NHKのプロフェッショナルにもご登場された、あの方がスペシャルゲストでご登場です!
(念のために言っておきますが、フライトドクターM氏ではありません~。)

ぜひぜひ、お聞きのがしなく。
放送時間&局は、こちらでご確認を! →こちらをクリック!
聞けないエリアにお住いの方は、ポッドキャストにてどうぞ。